その文書でU専務は語っています。
「第1ステップの運動期間中に緊急事態として品質向上運動が割り込み、そちらに注力しなければならず3S運動が中だるみとなったが、第1ステップ終了時に積み残しとなった項目がかなり出たことは残念であるにしても、(第2ステップを推進、徹底することが、品質向上運動を含めて)、真の合理化として成果が上がることであるから、反省を込めて3S運動を再スタートする」
具体的には、3S委員会を毎月最終土曜日に開催し、毎月初めに必ず3S週間を実施し、3Sパトロールの定期実行、評価・発表・勧告を徹底するなど、表向きは事務局を前面に出しつつ、U専務自身は課長クラスに3S運動についてのデータを逐一”表”によって報告することを義務づけたのです。

実はU専務としては、管理者たちにデータの取り方、データの活用の仕方を仕込み、データに慣れてもらって品質管理につなげようというハラがあったのです。 そのためにこそ3S運動は、いわば”入門”として格好の材料だったわけです。

「当初の予期以上の効果があり、3S運動が品質向上に大きな役割を果たすことが立証でき、ようやく本格的な品質向上運動に着手できる下地ができかけた」と述懐した手紙が届いたのが、3S運動を始めてから2年3か月、その第2ステップをスタートさせてから1年半を経過している。 そして、品質や作業の基準を明確に定めて、これまでの「べからず」ではなく、これからは「このとおりにすべし」に転換する、と書き加えられていました。 添付されていた文書には、歯切れのいい宣言が記されていました。 「品質意識革命運動」を提案する。

それは、全員が「品質とは何か」「良い品質の製品とは、どれ以上の水準のものか」「そのために自分は何を為すべきか」「その結果は、どうであったか」「次に打つ手は何か」を徹底的に研究、実践しようとするものである。 したがって、を徹底周知し、全社一丸となって完遂することこそ肝要である、引用の最後に、その品質意識革命運動がいよいよスタートした62年1月10日に全社的に公布された『不良撲滅宣言』を紹介しておきましょう。

「我々、私たちは、今日よりも品質に対する甘い考え方を一新し、品質が会社の経営にとって如何に大切であるか、不良品を造ったり出荷することが如何に恥ずかしいことであるか、ということをしっかり認識し、会社と、我々、私たちの名誉にかけて、絶対に不良撲滅を達成することを宣言します」日常管理は、すなわち方針管理だ。

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